毎日新聞 2013年01月23日 岩手版
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20130123ddlk03040046000c.html
山田町が緊急雇用創出事業を委託したNPO法人「大雪りばぁねっと。」の問題を巡り、県は22日の県議会常任委員会で、昨年度(11年度)中から法人の領収書類の不備を把握していたことを明らかにした。法人のずさんな会計処理が次々と発覚しているだけに、今年度も委託の継続を認めた県のチェック体制の甘さが問われそうだ。
常任委員会では、県の雇用対策・労働室の担当者が、法人が今年度の補助金7億9000万円を使い切り、事業休止に至った経緯を議会側に説明。その際、昨年度中の11年12月と12年3月の2回にわたり、県の出先機関が、町や法人と面談し、事業の遂行状況を調査していたことを明らかにした。
11年12月の調査時点では、法人が補助金を使ってブランド物の制服やジャンパーを購入していたことが問題視され、県が「常識的な出費をするように」と指導。12年3月には、事業の完了検査に向けて会計帳簿類を整理するよう求めたといい、同室の担当者は「(県の出先機関から)領収証類の整理で不備があるとの報告を受けた」と述べた。
議員からは「昨年度の時点で契約を打ち切るべきではなかったか」など、県のチェック体制の甘さを指摘する質問が相次ぎ、県商工労働観光部の橋本良隆部長は「山田町の第三者委員会の推移を見守りながら、県として指導対応に不適切な部分がなかったか確認したい」と述べた。【宮崎隆】