山田町が事業契約解除…NPO「大雪」

山田町から東日本大震災の雇用創出事業を委託されたNPO法人「大雪りばぁねっと」(北海道旭川市、岡田栄悟代表理事)が今年度の事業費約7億9000万円を使い切り、雇用していた町民ら約140人を解雇した問題で、町は18日、法人との事業契約を解除した。法人の事業費の多くが使途不明となっており、町は同日を回答期限として法人に質問状を送ったが、回答は不十分だった。町は今後、刑事告訴も視野に全容解明を目指す。

町は昨年12月に、法人への事業委託を打ち切る方針を示していた。佐藤信逸町長はこの日の記者会見で、「(法人には)問題解決への誠意が感じられない。本日をもって委託契約を解除する。来週、刑事告訴を含めた今後の対応を弁護士と相談していく」と述べた。

町によると、この日午前6時15分、同町船越にある法人の拠点施設から町役場に回答文書計9枚がファクスで送られてきた。町は使途不明金に関する説明や資料の提出を、岡田氏らが出席の上で求めていたが、内容の大半は「資料を整理中」「郵送にて提出」などとなっていた。ファクス受信後も岡田氏から連絡は無く、町役場などに姿を現すことはなかったという。

同じく提出を求めていた岡田氏の履歴書や運転免許証のコピーも届かなかった。町幹部は「実質のゼロ回答だ」と憤った。

町はこのままでは全容解明には至らないと判断し、法人が事業を休止した昨年12月11日以降の契約解除の通知を旭川市の法人事務所に郵送した。

町のこれまでの調査では、法人関係者が代表を務めるリース会社「オール・ブリッジ」(石川県加賀市)に対し、今年度、法人からは「リース料」名目で約1億5000万円が支払われている。しかし、2011年度の人件費などが盛り込まれていたほか、オール社の通帳に入金記録が無いなど不自然な経理が明らかになった。昨年12月時点で約1億6500万円の業者への未払い金もあるという。

佐藤町長はこの日、「本人が来て誠意ある対応をするものだと思っていた。強く憤りを感じる」と語った。
岡田氏は18日、読売新聞の取材に対し、「問題解決と、元従業員への未払い賃金を支払うためにも、今後も町の調査に最大限協力したい」と話した。一方、「これまでに町に説明した内容が、議会や報道に公表されていない。町が我々に対して疑惑を印象づけるような形なので、こういった(書面での)対応にならざるを得ない」と述べ、町への不信感もにじませた。

町は18日、町の無償貸与により法人関係者が利用していた町内の宿泊施設「ケビンハウス」から、1週間以内をめどに退去するよう内容証明郵便を岡田氏ら入居者4人に送付した。今後、岡田氏らが町への資料提供や説明に応じるための確約書も法人宛てに郵送した。

(2013年1月19日  読売新聞)

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