朝日新聞 2013年1月22日
山田町の被災者らを緊急雇用していたNPO法人「大雪りばぁねっと。」(北海道旭川市)が資金枯渇し、全従業員約140人を解雇した問題で、町は21日、第三者調査委員会の初会合を開いた。3人の委員からは、「最低限の審査がなぜできなかったのか」と役場の初動の甘さを突く意見が相次いだ。
委員は宮健・県中小企業診断士協会会長、植田真弘・宮古短大学部長、横道二三男・弁護士の3氏。互選で宮氏を委員長に選んだ。町は事業の検証、行政の対応、提言の3点を求めた。
会議では、最初に、震災直後の4月にNPOの岡田栄悟代表理事を町が災害対策本部員にしたり、5月に最初の緊急雇用の契約をしたりする際、NPOの実績や岡田氏の略歴をなぜ調べなかったのか、と役場側の問題が指摘された。北海道のホームページに公開されていたNPOの事業報告書には、不正確な貸借対照表が載せられており、「管理能力に(町は)だれも疑問を持たなかったのか」と、驚く委員もいた。
委員会は今後、前町長らからの聴取も検討しながら、(1)初動(2)NPOが国、県の紹介で入ってきたことで、町は信用したのか(3)関連リース会社の設立の経緯(4)使途不明金――の4点を当面調べる。
(伊藤智章)