復興支援NPO、リース料使途が不明瞭…岩手

読売新聞 過去記事

岩手県山田町で被災者の緊急雇用創出事業を受託したNPO法人「大雪りばぁねっと」(北海道旭川市、岡田栄悟代表理事)が全従業員を解雇した問題で、法人は7日、今年度のリース料に関する書類を町に提出した。

法人関係者が代表を務めるリース会社に支払ったとされていた災害対応資機材費のうち、半分を超す約5830万円が昨年度の人件費や光熱費などだったと説明したが、リース料の使途は依然不明瞭な状態。町は法人の昨年度の事業報告書を改めて調べ、補助金適正化法違反の可能性もあるとして、県警などに相談する方針だ。

この日は、法人が組織する「山田町災害復興支援隊」の副隊長で、リース会社「オール・ブリッジ」(石川県加賀市)の代表を務める橋川大輔氏が同町船越の法人施設で、契約書や領収書、預金通帳を町職員に提出した。

町によると、オール・ブリッジ社に対する支払い一覧表が示された。今年度の事業計画などで災害対応資機材費とされていた約1億850万円は、約1億880万円に増え、資機材費以外のものが含まれていた。

領収書約100点が添付されており、約3910万円が今年度に使われたことが確認できたが、実際に支出されていた資機材のリース料は約2580万円で、残りは消耗品代などだった。

昨年度未払いの約5830万円が繰り越されており、従業員約140人の昨年3月分の人件費約3200万円などが盛り込まれていた。支出した年度がはっきりしないものは約1140万円にも上り、このうち約930万円分については、領収書がなかった。

町が昨年12月に行った集中調査では、支払先がはっきりしない6000万円のリース料があったが、今回提出された資料によると、全額が車のリース料とされていた。このうち3000万円は、レンタカー会社に支払った領収書が確認できた。残りの3000万円はオール・ブリッジ社に支払われたリース料で、契約書、領収書では6台を借りていることになっているが、現物を確認できたのは1台だけだという。

町によると岡田代表理事は今後について、弁護士を通じての対応を求めており、町は不明な内容について、弁護士に文書で説明を求めていくという。

町は週内にも、弁護士や税理士からなる第三者委員会を設置し、法人の昨年度、今年度の事業費の使途などを精査する。

佐藤信逸町長は同日、報道陣に対し、「我々の調査には強制権も無く、行政として限界がある。司直の手に委ねることも検討する」と述べ、近く県警に相談する考えを示した。

(2013年1月8日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/job/news/20130108-OYT8T00824.htm

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